カーボンファイバーがスケートボードに及ぼす影響をAlmost Double Impactをもとに分析

Last updated: 2023/12/01

Almost Skateboardsは、高い技術を持つライダーと、最先端技術を搭載したデッキで知られています。Double Impactシリーズは、デッキのトップシートとしてカーボンファイバーが採用されており、トラックの周りにはカーボンディスクが装着されています。

カーボンファイバーというと、何かすごそうな気がしますが、科学的な観点からはどうなのでしょうか。今回は、ほぼダブルインパクトが理論上同じ力を受けたとき、他のボードと比べてどのように反応するかを分析します。

Summary

トップシート全体がカーボンファイバーで作られ、トラックの周りにはディスクを搭載

通常、スケートボードは薄い木の層を7、8枚重ねて構成されています。しかし、AlmostのImpact Supportは、トラックの周りにカーボンディスクを埋め込み、ポップと板の耐久性を向上させています。

Double Impactシリーズは、通常のImpact Supportのカーボンディスクに加え、板のトップシートにカーボン・ファイバーを搭載してさらに性能を向上させています。

より高く、より近くポップする

この実験では、複数の板のテールを一定の力で弾く検証を行いました。すると、Double Impactの板のポップ角度は他の2つのボードに比べて最も大きくなりました。

また、テールが押し下げられても板のゆがみが少ないため、他の板に比べてより垂直にポップする事で、より近い位置にとどまる事が分かりました。

Simulation

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実験の条件・前提

1枚目の板: 古くなったImpact Support

1枚目は1か月ほど使ってテールがすり減ってしまった状態の通常のImpact supportの板。すり減った分、多少重量は軽くなっているはずです。また、カーボンファイバーのディスクがはいっているため、通常の板とは重量が異なるかもしれません。念のため重量を計測したところ、1.3キログラムでした。

体重計の測定誤差

少しだけ補足します。この体重計は0.05キログラム、つまり50グラム単位で重量を測定するようです。そのため、仮に1.4キログラムと表示されていても、1.38グラムくらいかもしれないなど、100%正確なわけではないので注意して下さい。

2枚目の板:新品のブランクの板

2枚目は新品のブランクデッキです。特にこれといった特徴はなく、よくあるシェイプのものです。価格は7,000円ほどで、よくホームセンター(DIY Store)で売っているような安物ではなく、本気でスケートボードを楽しむために十分な強度を持っているはずです。今回の実験で使用したように、テールの一部にだけデッキテープを張った状態では1.3キログラム。残りのデッキテープを上に置いてみると1.4キログラムでした。

3枚目の板: Double Impact

そして3枚目は本命のDouble Impactです。トップシートとトラック周りにカーボンファイバーが設置されていて、より良いポップがより長く継続する事を売りにしています。重さは1.4キログラムでした。

ブランクの板とDouble Impactとの重量の差

先ほど言及したように、この体重計では50グラム以内の誤差は測定できないとはいえ、ブランクとDouble Impactの重量にはほとんど差がないという結果になりました。カーボンファイバーを使用することによる板の重量への影響はかなり限定的であることが分かります。

サイズや他の条件

ちなみに、これらの板はすべて同じ8インチのサイズで、テールのキックの角度もおおよそ同じになっています。ちなみにトラックは、Tensor TrucksのMag Lightの5.25、ウィールはBonesのXフォーミュラです。かなりすり減っているため本来の性能は出せませんが、3種類の板全てに同じトラックとウィールを使うことで、板の性能のみを比較することができるはずです。

人口ポップ装置を作る

次に、一定の力でテールをポップするための装置を作成します。鉄パイプ、パイプを滑り降りる金具、重りとなるゴムの塊などを組み立てます。人類史上最も愚かな装置が完成しました。人工ポップ発生装置です。

おもりについて

元々は1.4キログラムのゴム材のみを落とす予定でしたが重量が足りなかったので1キロの水を追加し、合計2.45グラムになりました。この重りを80センチの高さから垂直にテールに落下させます。今回は細かい物理の話はしませんが、直観的に、この装置で「テールを軽くポップするときの動作の再現」ができそうに思われるのではないでしょうか。

この仕組みの注意点

錘は地面からおよそ2-3センチのところで止まるようになっています。これは、錘がテールを押し続けてしまうと板が跳ね上がる動作を妨げてしまうと考えられるためです。この装置はテールをポップした後、地面から数センチ開けて停止することで板が跳ね上がるためのスペースを確保しています。

実験の結果

この装置を使ってさっそく実験してみます。3種類の板のテールに重りを落としてみると、どの板も同じようにポップしていて、何も違いがないように見えます。

今度は映像を重ねて比較してみましょう。すると多少ずつですが、確実に違いがあることがわかります。

ブランクデッキ

ブランクデッキが一番角度が小さく、およそ75°程度ノーズが持ち上がりました。

Impact Support

Impact Supportはかなり傷んでいるはずですが、ノーズは77°跳ね上がりました。ノーズの角度は大きくなっていますが、錘がテールに触れた瞬間に板がたわみ、板がしなってから跳ね上がっている様子が見て取れます。

Double Impact

ノーズはおよそ82°跳ね上がりました。実験は何度か繰り返していますが、この板だけ顕著に跳ね上がる角度が大きいことがわかります。

さらなる検証

Double Impact は近くでポップする

少し角度を変えて、ブランクデッキとDouble Impactデッキを比較してみます。Double Impactと比較してブランクデッキは、より近くで跳ね上がっていることが分かります。これには板のしなりが関係している可能性があります。ブランクデッキの場合は、テールに力が加わった瞬間に板がしなり、板の重心が遠心力で前に移動してしまう可能性があります。重心が前に移動することによって板全体が前方向に引っ張られてしまうことになります。

その反面、Double Impactの場合は、テールに力が加えられると、板がブランクデッキのようにしなることなくノーズが持ち上がってきます。これにより、板の重心が前に移動することなく、より垂直に板が持ち上がってくることになります。

考察

この実験の反省

認めます。ポップ発生機が不安定でした。垂直に力をかけることができなかった時もあったり、おもりが途中で止まることもあったため、必ずしも一定の速度で力を掛けられたわけではないのかもしれません。次回の改善点とします。

高くポップするのが必ずしもいいことなのか?

この実験の結果からはDouble Impactがより高くポップする事が示唆されました。ノーズが持ち上がってくることはわかりましたが、必ずしもそれがいいこととは限りません。前足の位置に対してノーズが持ち上がってくる力が強すぎると、ロケットオーリーに原因となったり、キックフリップで前足を抜きづらくなる原因となります。

もちろんいい点もあります。高くポップする事に加えて、板がとても固いため、軽い力で例とフリップ回転をかけることができます。

また、Double Impactの長所でもあり最大の欠点なのが、長期間使った時の板の状態です。トップシートに使われているカーボンファイバーはの繊維は、使用とともに徐々に崩れてきます。板をあまりグラブしないストリートの場合問題になりづらいですが、板をグラブするスタイルの場合、崩れた繊維が手に刺さることがあります。自分のスタイルに合わせて板を選ぶようにすることをお勧めします。

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