キックフリップの科学

板を一回転して着地するだけ。簡単なようでいて、実は大変なんですよね。

このトリックのメカニズムを科学的に分解してみましょう。ここでは「できるだけ高くジャンプして、前足を強くフリックしよう」とは言いません。

その代わりに、キックフリップの科学と物理を、理論と客観的事実に基づいて分析します。

概容

フリックには力はいらない。素早くコンパクトにとどめる。

それほど強くフリックする必要はありません。人間の脚力はスケートボードを回転させるのに十分なエネルギーを発生させることができます。オーバーフリック(あまりに強くフリックしようとしすぎてしまう事)をしてしまうと、バランスを崩したり、前足が板から遠くに離れすぎてしまい、着地の時までに板に戻せなくなったりします。

フリックは素早く、コンパクトに。フリックするときに板が前足にくっつくような感覚がある場合、逆に強くフリックしすぎている可能性があります。

オーバーフリックについて詳しくはこちらをご覧ください。

まっすぐ上に飛び上がる。蹴り下げるのではなく、足首のスナップを使う。

太ももとふくらはぎの機能の違いを理解することが重要です。まず太ももで体を持ち上げましょう。そして、ふくらはぎを使ってテールを弾くのです。

テールを弾くことに集中しすぎると、ノーズを上げる力が強くなりすぎて、前足をフリックしずらくなってしまうことがあります。ポップする力もコンパクトにとどめることでフリックしやすくなります。

オーバーポップについて詳しくはこちらをご覧ください。

ポップする前にかかと側に体重を移動させる。

前足が斜めにフリックすることで板はかかと側に移動します。空中に飛び出す前にかかと側に体重を移動させておき、板の上に重心をとどめておくこととが重要です。そうすることで、板の上にとどまることが出来るだけではなく、まっすぐ前にフリックすることが出来るようになります。

体重移動について、詳しくはこちらをご覧ください。

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Tips

キックフリップは、ポップ、フリック、体重移動などの主要な要素で構成されています。フリックなどの目につきやすい要素に注目すると、ドツボにはまることもあるため、その背景にある客観的な科学を理解することが重要です。例えば、ボードを速くフリップしたいとき、前足を強くフリックすればいいと思うかもしれません。しかし、科学的にはそうなのでしょうか?

あなたのその努力こそが、ボードが十分に速く反転しない理由かもしれません。オーバーフリップによって、ボードのノーズが持ち上がるエネルギーが強すぎるのかもしれません。ノーズと前足の間の摩擦が大きくなりすぎている可能性もあります。科学と物理学の視点から、何が起きているのかを分析してみましょう。

Trouble Shooting

キックフリップには問題がつきもの。水平方向に曲がってしまったり、板に着地出来なかったり、、、。なぜこのような問題が起こるのか、科学的に検証してみましょう。