ヒールフリップ。直観的には簡単に思えます。板が一回回転するだけです。人間の脚がスケートボードを回転させるためには十分強いことを誰しも知っているはずだからです。もし回転しないとしても、フリックの力を強めようとするのはやめてください。板を回転させる秘密はフリックの強さにはないからです。
板が回転しないのは、フリックする力が板に届いていないからです。例えば後ろ足に体重を乗せてしまうと、前足が板から離れ、フリックの方向が板と平行になってしまいます。これでは、どれほど強くフリックしても板が回転するわけがありません。この動画では、板に効果的に力を伝えるための科学を分析します。動画の後半では全く新しい動画分析方法もご紹介しますのでお楽しみに。
まとめ
なぜ板が回転しないのか?
フリックの力がボードに伝わらないためです。後ろ足に重心を置きすぎると、前足がボードから離れてフリックの方向が平行になり、回転しません。
理想的なフリックの方法とは?
膝を中心に前足のつま先が弧を描くように動かすことです。これにより、ボードに対して垂直な力が加わり、効果的に回転します。
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ヒールフリップの仕組み
板をフリップさせる力
ヒールフリップの回し方について考える前に、板が回転するときの仕組みを考えてみましょう。キックフリップと似ていて、ノーズ周辺をフリックすることで、ノーズとテールを結ぶX軸に対して垂直な力が働くことで板がフリップします。また、フリックの力はY軸を中心にノーズを押し下げるように板を回転させるため、テールが持ち上がるようにしながら回転します。
ヒールフリップが回転しない物理学的な理由
フリックが板に及ぼす力がX軸に対して平行に近づくほど板をフリップさせる力は弱まります。最悪なケースでは、前足がそもそも板から離れ、全く板を回転させることができない状態になります。仮にノーズにうまく足を引っかけることができて回転させられたとしても、Y軸を中心とした回転が弱くなり、ロケットフリップになってしまいます。
体重移動とフリックの効率
体重移動の影響
ではなぜフリックの力が板と平行になってしまうのでしょうか?カギは体重移動にあります。ヒールフリップをはじめとするフリップトリックでは、テールをはじいてノーズを引き上げることで、前足がノーズをフリックすることができるようになります。この時、より強くポップしようと思うほど体重は後ろ足寄りになる傾向にあるため、前の膝を必要以上に持ち上げてしまったり、ノーズからの距離を離してしまうことになります。
最適なフリックの方法
理想的には、膝下が膝を中心に弧を描いて回転し、最初は下向きもしくは水平に進んでいたつま先が上向きに軌道を変える過程で板を摺り抜くことで、板に回転力を与える状態が望ましいです。
フリックの問題
後傾の時にフリックしてしまうと
次に、体重を後ろ脚に乗せてしまうとどうなるかを考えてみましょう。前足はフリックの瞬間はいたと接触していますが、体の軸が後ろ側に傾いているため、前足が開いてしまいます。つま先が描く弧が板のX軸と平行になってしまうことで、どれほど強くフリックしても、十分な力を受けていない板は回転することができません。
フリックの方向
この状態では、フリックの強さに関わらず、フリックの力が板に到達しない以上、ロケットフリップになってしまったり、板が全く回転しない状態になってしまうでしょう。フリックする方向を変えただけではこの問題は解消できません。つま先は力を及ぼすことができる範囲は膝を中心に一定の距離であるため、前にフリックして板が回転しないのであれば、横にフリックしても同じ問題が継続することになります。
効果的なフリックの方法
十分なフリックの力を確保するには
板を効果的に回転させるためには、つま先が描く弧が板を捉えている必要があるということになります。体重を前足に置くことで、上体が伸びあがる反動を利用して前足を低く保つことが容易になります。
適切に体が使えているかの指標
膝下の角度も重要な指標です。フリックの直前で、ノーズが前足を押し戻し、膝下が曲がっている状態になっていることが望ましいです。この状態から前足をフリックすることで、板を回転させるために必要な弧を描くことができるようになります。ノーズが適切な位置まで前足を押し戻すことができるように、テールをポップする力や方向を調整するのが一つの方法です。
意図的に前の膝を曲げる
そのほかに、膝下を意識的に少しだけ曲げるような操作をすることでも板が回しやすくなる場合があります。膝下が曲がった状態からフリックする状態を意図的に作り出すことで、X軸に対してより効果的に垂直な力を掛けやすくなるからです。
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