Summary
板をローカルY軸を中心に回転させる
この世には2種類の軸があります。グローバル軸とローカル軸です。板が上昇する際にはグローバルZ軸に従いますが、このトリックのショービット回転はローカルZ軸を中心に、フリップはローカルY軸を中心に発生します。 軸の特性の違いを理解することでより効果的に板を回転させられるようになります。
上体を下げることでつま先を持ち上げる
空中で上体を下げることで、体が慣性を保存しようとするため体の反対側=つま先が持ち上がります。この概念を活用するとより効果的につま先を持ち上げることが可能です。
トリックの流れ
ややこしい物理の話をする前に、簡単にトリックの流れを見てみましょう。
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足の置き方
後ろ足はつま先側のテールの付け根にトレフリップのように置き、前足はボルトの前にキックフリップのような形で置きます。
足の角度は好みに合わせて問題ありませんが、前足の角度が重要です。通常のキックフリップより閉じ、板と直角に近い角度で置きます。こうすることで体の角度が閉じ、後ろ足を前に伸ばすだけで板に効果的にフリップ回転を与えることができます。
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板をフリップさせるまでの流れ
テールをポップした直後は後ろ足を低く保っておき、ノーズが半回転して後ろ足に近づいてきたタイミングで持ち上げます。後ろ足の爪先が板の裏側にあたることで板をフリップさせることができます。
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分析
回転軸
このトリックのカギは回転軸にあります。この世の中には2種類の軸があります。グローバル軸とローカル軸です。
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グローバル軸
グローバル軸とはこの空間が持つ軸の事で、すべての物体に平等に適用されます。例えば、すべての物体には平等に重力が働き、グローバルZ軸に沿って下方向に力がかかることになります。ポップすると体が受ける重力を打ち消すように力が働くため、グローバルZ軸の上方向に力が生じることになります。
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ローカル軸
一方、ローカル軸とはそれぞれの物体自身が持つ軸の事です。ポップする事で板の角度は変わりますが、このローカル軸の概念自体は継続的に適用されます。このトリックの場合、板が傾いてもZ軸を中心とした回転自体は継続することになります。
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板の動き
板が上昇する方向はグローバルZ軸方向に従いますが、回転はローカルZ軸を中心にして発生します。
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板を回転させるには
板を回転させるにはローカルXY平面に対して垂直な力を掛けましょう。板の裏側をつま先でフリックすることで、板はローカルY軸を中心としたキックフリップ方向に回転することになります。
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よくある間違い
よくある間違いNo.1 Y軸を押してしまう場合
いうまでもなく、フリックの動作が一番難しいパートになります。板にあたるつま先の範囲が大きすぎると、板を回転させるのではなくY軸全体を押してしまうため板が体から離れてしまいます。
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よくある間違いNo.2 フリックが弱すぎる場合
逆に板にあたるつま先の面積が小さすぎる場合、板に十分な回転力を与えることができずプリモや板の裏側に着地してしまう原因となります。
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よくある間違いNo.3 後ろ足を引き上げるタイミングが早すぎる場合
後ろ足を早く引き上げすぎると、後ろ足が板にあたることができず、失敗したトレフリップのような回転になってしまいます。
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よくある間違いNo.4 後ろ足を持ち上げすぎている場合
タイミングが正しくても後ろ足を持ち上げる角度が大きすぎる場合、板が高く上がりすぎることで足に当たり、板の回転が止まってしまいます。
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板を回転させるために必要な力の大きさ
ここで、板を回転させるためにどのくらいの力が必要なのかを考えてみましょう。このトリックでは板が2回転するため、大きな力が必要であるように思われますが、実際は非常に小さな力で回転します。地面に片足をつけて板を回してみたことはありませんか?もしあれば小さい力で板を回転させられることに気が付いたはずです。
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後ろ足を効率的に持ち上げる方法
このトリックの肝である後ろ足の引き上げを楽に行う方法があります。ポップしたあとで上体を引き下げることで、空中に飛び出た体の反対側(つまり足先)には反作用が働き、逆方向である上側に引きあがることになります。これによって後ろ足はローカルXY平面に対して垂直に力をかけることができ、板を効果的に回転させることができるようになります。
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体を閉じておく事の重要性
体の向きも重要な要因です。もし開いていると、板に対して垂直な力をかけづらくなります。板がうまく回転しない時は体の向きに注意し、板が180度回転してからフリップをかけるようにしましょう。
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