スケートボード会場を3D世界に再現!パークの構造と優勝トリックについて解説!

Last updated: 2024/07/30

皆さんはパリオリンピックを見られましたか?慣れない環境で沢山の人に見られているなか、素晴らしい滑りを見せてくれたすべてのスケーターに感謝と経緯を表したいところです。特に、今回のパークの作りも東京オリンピックに劣らず難しそうでしたね!

この動画ではパリオリンピックの会場の構造と、決勝トリックとなったノーリーバックサイド270ブラントスライドについて、3Dモデルを使ってテレビでは見ることができないアングルから解説します。

大会中央部の3Dモデル

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通常のスケートパークとオリンピック会場を比較

中央のレールセクション

一番大きなトリックが繰り出されたのは、この中央のレール部分です。直観的に見ても、このセクションではスケーターは大きく跳ばなければならないことが予想され、難しさが伝わってくるかと思います。

パークの構造

大きく飛ぶとことが物理的にどのような影響を及ぼすのかを考察するために、今回のパークの構造を通常のスケートパークと比較してみましょう。通常はレールはそれほど高くなく、階段の手前は平たんな地形になっています。これによってレールの直前まで安定した姿勢を保ちながら近づくことができることになります。

一般的なスケートパークでレールに乗るには

また、通常のパークでは地面から飛び立つ時の板の高さとレールに乗る場所の高さがほぼ同じになることがわかります。

通常のスケートパークで働く物理現象

これによってレールに乗ったときに体にかかる力は、平地で軽くオーリーした時に体にかかるのと同じくらいになることになります。

オリンピック会場の特徴

体が描く放物線とレールの高さ

オリンピック会場の場合はどうでしょうか。ご覧の通り、選手は中央のレールに乗る前に、一度体を打ち上げて、落下しながらレールに乗ることになります。正確な寸法を測ったわけではないので間違っているかもしれませんが、このレール自体も他のものに比べて少し高い構造になっているようです。

この構造の恩恵

これによって、レールに乗るまでの対空時間が確保しやすくなるため「板や体が回転する時間を確保しやすい」「トリックに高さが出て見栄えする」などの恩恵があります。

この構造の難しさ

一方で、高い位置から降りながらレールに乗るため、レールに乗ったときに体にかかる力も大きくなります。うまくグラインドやスライドトリックをするためには、より正確なボードコントロールが求められることになります。

結論

高難易度のスケートパークと体調管理の難しさ

僕のようなスケーターがこんなパークで滑ったらあっという間に怪我をしてしまいそうです。それだけではなく、雨で大会が延期されたことでコンディション調整がさらに難しくなっていると思われます。選手の皆さんにはぜひベストなパフォーマンスを発揮できるように応援しています。

決勝トリックについて

次に、優勝者を決める決定的なトリックとなった、ノーリーバックサイド270ブラントスライドを考えてみましょう。

詳しい動作は動画を参照してください。

このトリックの何が難しいのか?

見えない、行き過ぎやすい、力が入りにくい…難しい要素全部を混ぜたトリック

  • 難しいところ①:乗る場所が全く見えないため、圧倒的な練習量でカバーする必要があります。
  • 難しいところ②:レールに向かって近づきながらアプローチするため少しでもレール寄りに行き過ぎてしまうとレールを飛び越してしまうことになります。絶妙なボードコントロールが必要になります。
  • 難しいところ③:前足(利き足と逆)で板をはじくため、そもそも板に力が伝わりにくいです。そのうえで、レールを飛び越えてからスライドすることになるため、十分な高さを出す必要があります。聞き足と逆で飛び上がりつつ、270度という高回転を実現するのは非常に困難です。
  • 難しいところ④:板が少しでもずれるとスライドできなかったりレールから落ちてしまうところを、270度回転しながら絶妙にコントロールする必要があります。

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