スケートボードで安全に転ぶ方法

Last updated: 2024/07/20

転ぶのはいつでも怖いものです。でも転ぶということは、慣れていないことに挑戦しているということです。転ぶのは努力の裏返しです。

スケートボードを続ける限り、何度も何度も何度も何度も転ぶものです。そのため、体の構造を理解し、安全に転ぶ方法を学習する事で怪我のリスクを少なくすることが重要です。今日は、スケートボードの安全な転び方を解説します。

概要

転倒の恐怖を克服する

転倒はスケートボードの一部であり、新しいトリックを学ぶ手助けになります。体のフリーズ反応を理解し、深呼吸やストレッチで恐怖を管理して怪我のリスクを減らしましょう。

安全に転ぶには

体を前に転がして運動エネルギーを分散させ、怪我を避けましょう。腕や頭などの特定の部位を保護し、必要に応じてリストガードやニーパッドなどの安全装備を使用してください。

自信をつけながらスキルを高めるには

基本的なトリックを練習し、ボード上での動きに慣れましょう。時間をかけて、小さな目標を設定し、オーリーのような複雑なトリックに苦労している場合は、フットプラントなどの代替手段を試してみてください。

生体力学的に恐怖とは何か

簡単に言うと、怪我を防ぐためには、体に働く運動エネルギーを分散させるために体を前に転がす必要があります。詳しいやり方を解説する前に、恐怖心を感じた時に人間の体に起こる現象を生理学的な視点から考えてみましょう。

フリーズ反応とは

スケートボードに限らず、事故などで脅威を目の当たりにしたときに体が硬直した経験はありませんか?車の前に飛び出してきた動物を想像してみてください。ただ前に進めばいいだけなのに、どうすべきか瞬間的に判断ができず、体が硬直してしまいます。これと同じ現象が人間の体にも起きます。

これは、フリーズ反応と呼ばれる現象で、脳が強い恐怖心やストレスを感じた時に発生します。人間の体には筋肉を緊張させる交感神経と、リラックスさせる副交感神経があります。ストレスを感じた脳は交感神経を活発化させ、筋肉を硬直させて体を守ろうとします。

トリックの途中でこのフリーズ反応に陥ってしまうと、体を自由に動かすことができなくなり、結果的にトリックがうまくいかなくなります。脚の動作がトリックの途中で止まってしまったことはありませんか?もしかしたらフリーズ現象が原因かもしれません。

フリーズ現象の弊害はトリックがうまくいかなくなるだけではなく、怪我のリスクを高めてしまう点にもあります。脚の筋肉が硬直することで、足首をひねりやすい角度で着地してしまうことがあります。

更に、恐怖を感じることで必要以上に体を板から遠ざけてしまったり、腰を引いてしまうことにつながります。腰を引くことがオーリーが曲がってしまう原因になることは以前の記事(英語)で解説した通りです。

フリーズ反応を緩和する

筋肉をリラックスさせるには

このフリーズ現象を解消するためには、深呼吸と軽いストレッチが有効です。深呼吸は交感神経を沈め、筋肉を弛緩させる役割を果たす副交感神経を活発にさせます。それに加えてストレッチをしたり軽くジャンプすることで、固まった筋肉をほぐすことができ、より自由に筋肉を動かすことができるようになります。ここまでは筋肉が硬直してしまったときにどうしたらいいのかを整理してきましたが、そもそも恐怖心を抑えるためにはどうしたらいいのでしょうか?

スケートボードの恐怖を乗り越えるには

まず大前提としてスケートボードの感覚に慣れる必要があります。よく「芝生の上がいい」といいますが、私のように芝生が周りにない場合は、地面のひび割れを使って板を固定すると、板が動かないため安心して乗ることができます。

動きながら練習する事の重要性

ただし、慣れてきたら、どれだけ遅くてもいいので出来るだけ動きながら練習しましょう。これには理由があり、後程紹介しますが、その前にオーリーなしで出来ることを紹介します。プッシュ、クルージング、ヒッピージャンプ、バニーホップ、スピン、マニュアル、ケイブマン、ケイブマンからのマニュアルなど。

動きながらトリックに挑戦できるようにすることが最初のステップです。

というのも、トリックの感覚は止まった状態と動いた状態では異なるため、止まった状態の感覚に慣れてしまうと、動きながらのトリックの感覚に慣れ直すのに時間がかかります。

動きながら練習することで怪我のリスクも減る

また、止まった状態で足首をひねってしまうと、体重がすべて足首に集中することになり、怪我を悪化させてしまいます。力を逃がすためにも、動作に慣れてきたらなるべく動きながら練習するようにしましょう。

転んだ時の対処法

Let the energy go

重要なのは「体を止めようとすると怪我をする」ということです。転んでしまったときは体を小さく丸めることで、運動エネルギーが発散され、怪我を回避することができます。

体を止めようとしない

逆に体を止めようとしたり伸ばしたりすると、伸ばした部分に力が集中するため怪我の原因になります。体の部位ごとに怪我を防ぐ方法を考えてみましょう。

その1 腕

転んだときに無意識に腕を出してしまう動作を避けることは困難です。もし腕を出すとしても、親指が外側に向いた状態だと、体に働く力のすべてが前腕に集中してしまうため、肩の脱臼や前腕の骨折につながります。

その2 頭

後ろに転ぶときには必ず顎を引くようにしましょう。体が丸まっていれば問題ありません。心配な人はヘルメットをかぶりましょう。

その3 足首

正直、どんなに気を付けていても足首をひねってしまうことがあります。けがのリスクを最小限にするには、不安になったらすぐ板から降りたり、体を丸めて地面を転がるようにしましょう。

リストガードの重要性

ただ、硬い地面の上で体を丸める動作は中々抵抗があるものです。感覚に慣れていないうちは、リストガードがお勧めです。掌で地面をスライドできることで体がもつエネルギーを楽に逃がすことができます。

トランジション

次に、トランジションでの転び方も考えてみましょう。ニーパッドをつけるのも効果的な方法ですが、持っていない人も多いのではないでしょうか。トランジションでは、何かがおかしいと思ったら平地以上にすぐに板から降りるようにしましょう。

バランスを崩した状態や、怖いと思った状態で無理やりトリックに乗りに行こうとすると怪我をします。トリックが成功するタイミングはきっとやってきます。危ないと思ったら迷わず板から降りて、次回のタイミングで挑戦するようにしましょう。

心構え

転ぶのはスケートボードの一部

不安になったらためらわず転びましょう。スケートボードで上達するためには長い時間がかかります。小さいゴールを設定して、自分のペースで練習するようにしましょう。

楽しむことが上達の近道

オーリーができない人は、オーリーだけがスケートボードを楽しむ方法ではないことを思い出してください。フットプラントはスケートボードの感覚に慣れるいい方法です。詳しくは以前の記事を参考にしてください。

3Dアニメーションコンバーターを活用して自分の動作を分析

また、3Dアニメーションコンバーターもぜひ試してください。単純に動画をアップロードするとシステムが自動的に3Dアニメーションに変換します。是非活用してみてください。

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