
トリックの問題とその解消法を瞬間的に発見。

動作の分析に必要な全てが詰まったシステム。

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Assumptions
今回は、7.75インチ(2.1kg)、8.0インチ(2.2kg)、8.25インチ(2.3kg)のデッキを使用します。トラックはそれぞれのデッキ幅に合ったものを装着し、それ以外の条件──ホイールやベアリングなど──はすべて同じに統一しています。
フリップトリックへの影響
まず物理的には、幅が広い物体ほど回転しにくくなる傾向があります。その理由は、重さの分布です。たとえば、重さが同じ2枚の板があるとします。片方は重さが中央に集中しており、もう片方は重さが両端に分散しています。同じ力を加えた場合、後者の方がゆっくり回転します。
デッキ幅が広くなると、単純に重くなるだけではありません。重さが中心から遠い位置にも分布するようになります。その結果、デッキはさらに回転しにくくなります。
一方で、幅が広いということはより大きなテコの効果も得られるということです。デッキが広いほど、回転の中心からデッキの端までの距離が長くなります。つまり、細いデッキよりも大きな回転力を生み出せるため、デッキを回転させやすくなります。
では、この2つの効果を組み合わせるとどうなるのでしょうか。8.0インチのデッキを360度回転させるのに必要な力を、ほかのデッキにも加えた場合、7.75インチのデッキは約389度回転し、約8%多く回転するという計算になります。
一方で8.25インチのデッキは約334度しか回転せず、約9%回転量が少なくなるという結果になります。
この比較では、7.75インチ、8.0インチ、8.25インチのコンプリートを、横方向の質量分布が幾何学的に相似な単純な剛体の板として近似しています。各完成車の総重量は、それぞれ2.1kg、2.2kg、2.3kgと仮定しています。デッキの長さ・形状・コンケーブ・材質は同一とし、それぞれのデッキには適切な幅のトラックを装着、ホイールとベアリングもすべて同じものを使用すると仮定しています。また、すべてのデッキに対して同じ大きさの力を、同じ方向へ、同じ時間だけ加え、その後は同じ時間だけ空中で自由に回転するものとしています。空気抵抗、デッキのしなり、足との摩擦など、実際の環境で生じる要素は考慮していません。回転しにくさは、回転軸から遠い位置に質量が分布するほど大きくなると考え、質量分布が相似であるという前提のもと、重量 × (デッキ幅)²で近似しています。そのため、8.0インチを基準とした回転量の比は、(2.2 × 8.0²) ÷ (重量 × 幅²)で計算しています。この式では、7.75インチは約401.9度、8.25インチは約323.8度回転する計算になります。しかし、同じ力を同じ方向へ加える場合でも、回転軸から遠い位置でフリックするほど回転を生み出しやすくなります。そこで、フリックの効果はデッキ幅に比例すると仮定し、幅 ÷ 8.0で近似しました。この補正だけを見ると、7.75インチは348.75度、8.25インチは371.25度に相当します。最終的な推定回転量は、回転しにくさの比とフリック効果の比を掛け合わせた{(2.2 × 8.0²) ÷ (重量 × 幅²)} × (幅 ÷ 8.0)で求められます。この式は(2.2 × 8.0) ÷ (重量 × 幅)まで簡略化でき、7.75インチでは約389.3度、8.0インチでは360度、8.25インチでは約333.9度となります。
もし毎回、プリモになる直前でボードをキャッチしているのであれば、8〜9%の違いは無視できない差になるかもしれません。8.25インチのデッキは、8.0インチと比べて約26度回転量が少なくなります。その差だけで、着地したときにボードが裏返ったままになってしまう可能性もあります。
デッキ幅はターンにどう影響するのか
次に、ターン性能について見ていきましょう。スケートボードでターンするときは、進みたい方向へデッキを傾けます。先ほど説明したテコの効果により、これらのデッキの端に同じ力を加えた場合、デッキの傾きは約3%異なることになります。
そのまま滑り続ければ、ターンの弧の大きさにも違いは現れるでしょう。しかし、その差はわずか約3%なので、実際には無視できる程度だと考えられます。つまり、デッキ幅がターン性能に与える影響は非常に小さいと言えます。
デッキ幅は安定性にどう影響するのか
「安定している」という言葉にはさまざまな意味がありますが、この動画ではつま先側・かかと側への傾きが小さいことを安定性と定義します。これは、多くの初心者が苦労するポイントでもあります。実際、幅が広いデッキでは、足をデッキの中心からより離れた位置に置くことができます。立つスペースが広くなるというメリットはありますが、先ほど説明したように、その分デッキはかえって傾けやすくなります。
デッキが大きく傾きすぎると、デッキがホイールに接触してウィールバイトが発生し、急ブレーキがかかったような状態になります。これを防ぐため、幅広のデッキには硬めのブッシュやライザーパッドが組み合わされることがよくあります。これらのパーツによって、片側へ強く荷重してもウィールバイトが起こりにくくなり、バランスの変化にも柔軟に対応できるようになります。その結果、セットアップ全体として安定しているように感じられることがあります。つまり、安定性を高めているのは、幅広いデッキそのものではありません。もちろん、高速で滑る場合や大きなセクションを滑る場合には別の物理的要因も関わってきますが、それについてはまた別の機会に解説します。
