オーリーでより高くジャンプする方法

Last updated: 2026/06/15

できることは全部やっているはずなのに、上手いスケーターのようにオーリーが高くならない。実は、スケートボードの上で深くしゃがむ動きはとても繊細で、少しのズレでバランスを崩しやすいのです。その結果、より高く跳ぶことがかえって難しくなる。そういう意味では、高く跳べない理由は、高く跳ぼうとしていることそのものにあります。では、どう改善すればいいのかを見ていきましょう。

オーリーの基本要素のおさらい

まずはオーリーを構成する基本要素を確認しましょう。これまで説明してきたように、オーリーにはポップとジャンプの両方が必要です。テールを弾くだけでは体重を地面から持ち上げることができないため、それだけで高いオーリーをすることはできないのです。

初心者と経験者のオーリーの比較

Domのオーリーを見てみましょう。彼は、ただテールを弾くだけでは十分ではないことを理解しています。そのため、まず体を持ち上げてからポップしようとしています。理論上は、しゃがむ、ジャンプする、ポップするという必要な動作をすべて行っているわけです。しかし、なぜ かその直後にほとんどすぐ地面へ戻ってしまいます。

次に、友人のGermanのオーリーも見てみましょう。彼のオーリーは力みがなく自然なものですよね。ぜひARシステムでも確認してみてください。

では、なぜ二人の動きはこれほど違って見えるのでしょうか。しゃがみ方も似ていますし、上半身には多少の違いがあるものの、ポップの動作も大きくは変わりません。Domは持てるすべての力を使ってポップしてジャンプしているはずです。では、すでに全力を出している彼に必要なのは 、さらに高くジャンプすることなのでしょうか。違います。重要なのは力の大きさではなく、安心してジャンプできる土台を作ることで、ジャンプのスピードを高めることなのです。

ジャンプの速度の違いを計算してみる

安定してしゃがむ方法については後で詳しく説明しますが、まずは実際に二人のジャンプ速度を計算してみましょう。Domの場合、重心が最も低い位置に達した瞬間からテールが地面に当たるまでの重心の平均速度を計算すると、89 cm/sになります。

(105 cm − 81 cm) / 0.27 s = 89 cm/s

同じ計算をGermanに対して行うと、270 cm/sになります。

(115 cm − 69 cm) / 0.17 s = 270 cm/s

ジャンプの速度の違いが及ぼす影響

では、その違いはオーリーにどのような影響を与えるのでしょうか。結論から言えば、ジャンプが速いほど高く跳べます。実際に試してみてください。腰を落としてから素早くジャンプすると、問題なく高く跳べるはずです。

今度は同じ高さまでしゃがんだ状態から、できるだけゆっくりジャンプしてみてください。ほとんど跳べないことに気付くはずです。

ヘルメットのような物体を持ち上げる場面を考えると分かりやすくなります。素早く持ち上げれば、手の動きが止まった後もヘルメットはさらに上へ進み続けます。しかし、ゆっくり持ち上げた場合は、手が止まった瞬間にヘルメットも自然と止まります。

これは、ただ高い位置まで持ち上げれば解決する問題ではありません。どれだけ高く持ち上げても、動きが遅ければ、手を離した瞬間から落下が始まります。

オーリーでも同じです。しゃがんだ姿勢からどれだけ体を持ち上げても、その動きが遅ければ、体は上向きの勢いを得ることができません。

さらに悪いことに、その上下の運動は何のメリットも生まないまま、ただ脚を疲れさせるだけなのです。

なぜジャンプが難しくなるのか

そして、より高くジャンプするためには、なぜジャンプが難しくなるのかを理解しなければなりません。ジャンプは単純な動作で、本来は簡単なはずです。その中でも最も重要なのに見落とされがちな原因が、しゃがんでいるときの不安定さです。もう一度Domの例を見てみましょう。彼がしゃがむとき、まるでバランスの取れる位置を探しているかのように脚が揺れます。その様子は綱渡りをしている人の脚の震えにも似ています。もし「なぜ自分は高くオーリーできないのか」「なぜ高くジャンプできないのか」と思うなら、自分にこう問いかけてみてください。綱渡りの上でジャンプできますか? 少なくとも、僕にはできません。

以前の動画でも説明したように、しっかりとバランスを取れる特定の位置があります。僕はこれをSquat Sweet Spotと呼んでいます。安定してジャンプするためには、この位置を見つける必要があるのです。

Stretch Shortening Cycle(伸張短縮サイクル)と呼ばれる仕組みによって、人はしゃがんだ直後にすぐジャンプした方が、一度待ってからジャンプするよりも高く跳ぶことができます。つまり、この特定の姿勢に素早く入り込めるようになれば、文字通りジャンプの高さを最大化できるのです。

ただし問題は、あなたがしゃがんでいる場所が独特な構造を持つスケートボードの上だということです。スケートボードには4つのウィールがありますが、実際に体重を支えているのはトラックのピボット部分です。そのため、体が左右どちらかに傾けばトラックも傾きます。そして、深くしゃがもうとすればするほどボードを傾けやすくなり、そのたびに修正が必要になるため、しゃがんでいる最中の安定性が失われてしまうのです。

安定してしゃがむ方法

しゃがんでいる間のバランスを保つためには、もっとゆっくり体を沈めてみてください。一気にしゃがみ込むのではなく、少し時間をかけて徐々に腰を落とし、その後でポップします。確かに、ゆっくりしゃがむだけでは高いオーリーはできません。しかし、安定してしゃがめるようになれば、その後でジャンプをより瞬間的に行うことで、さらに高いオーリーへ進んでいくことができます。

絶対に避けるべきなのは、ゆっくり立ち上がるようにジャンプしてしまうことです。その動きでは体に上向きの勢いが生まれません。ヘルメットを持ち上げる例と同じで、動作が遅ければ、その物体はそれ以上上へ進むことができないのです。一方で、ゆっくりしゃがむことでオーリーが多少低くなってしまうかもしれませんが、ジャンプ自体は可能ですし、確実に安定してしゃがめるようになる訳です。

おまけ

最後に、もしあなたが音速で体を持ち上げることができたらどうなるでしょうか。

h = v^2 / 2g = 343^2 / 2*9.8 ≈ 6km

計算上、約6キロメートルもの高さまで飛び上がることになります。さすがに通常のスケートシーンでは高すぎますね。もちろん極端な例ですが、それほどまでにジャンプの速度は重要だということです。

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