概要
Step 1: 足の配置
- よく、テールの中央に足を置いた方が良いと言われますが、その限りではありません。
- 足の置き方を考えるにあたり、「板が意図せずフリップしてしまうのをどう防ぐか」が最も重要であり、テールが一番最後に地面にヒットする状態を達成することができれば、どこに置いてもいいのです。
Step 2: 重心配分
- 重心のかけ方は回転に大きな影響を与えます。つま先側に重心を残したままジャンプしようとすると、自然とかかと側へ板を押し出す力が生じます。
- この仕組みによって、身体の向きに関わらず、板は最終的につま先側へ着地するため、体の下にキープしやすくなります。
Step 3: ポップ
- 真下に弾くべきか、あるいはしゃくるべきか。しゃくる動作を採用することも可能ですが、前述の力学的な仕組みにより、ショービットの回転を成立させるために必ずしも必要ではありません。
Step 4: 上半身の使い方
- できるだけ高く跳ぶべきでしょうか。答えは否です。必要以上に跳び上がると、板に与えるべき下方向のエネルギーが失われてしまうため避けるべきです。
シミュレーション
Breakdown #1: Foot Placement
ここで注目すべき要素は、板がどのような力学で動いているかという点です。以前の解説でも触れましたが、私のトレフリップの多くはリバウンド──すなわち、圧縮されたリアトラックが中立に戻ろうとする力──によって成立しています。
一般に、ポップショービットでは後ろ足をポケット(=つま先側のテールの根元のこと)に置くことが多く、この配置は回転を助ける一方、板が意図せずフリップしてしまう原因にもなります。ポケットに後ろ足を置くことで、リアトラックにエネルギーが蓄えられ、その反動が板のフリップを誘発し得るからです。
- 私自身のショービットも、大きくリアトラックを潰しているように見えるにも関わらず、なぜ板がフリップしないのでしょうか。
- プリモ着地が多い原因としてフリップが挙げられますが、足の配置は本当に主因といえるのでしょうか。
これらの疑問はすべて、ひとつの視点から整理できます。それは「板のどの部分が最後に地面へ接触するか」という点です。
もし接触点がテール最先端であれば、リアトラックに蓄えられたエネルギーは空気中へ逃げ、不要なフリップを生みにくくなります。
Break down #2 Weight Distribution
足の配置に関する問題を確認したところで、次に重要となる要素──重心配分──へと進みます。
ポップショービットでは、板が足元から離れていってしまうという悩みが多く見られます。この現象の多くは、重心の置き方やポップの仕方が適切でないことに起因します。
ポップショービットでは、板がつま先側へ着地しやすいことがよく知られています。これは、ポップの直後に後輪が支点となり、板の重心がつま先側に振り出されるためです。
- 先ほど述べたように、ジャンプの前段階で重心をわずかにつま先側へ寄せておくと、回転と前方への移動を意識せずに同時に生み出すことができます。
- 重心がつま先側にある状態でポップすると、脚は自然とテールをかかと側へ押し込み、その結果として身体はつま先側へ導かれます。
- 身体の動きにかかわらず、板は最終的につま先側へ着地します。そのため、その着地点の真上に自分を置く技術が重要となります。
- 本質的な課題は、つま先側へ重心をどの程度寄せればよいかを見極めることにあります。
Break down #3 Pop
本当に強くポップする必要はあるのでしょうか。
一般的には「ポップと同時にしゃくる」動作が必要と語られます。しかし、レギュラーショービットとポップショービットでは働く仕組みが微妙に異なるため、誤解が生じやすい部分でもあります。これまでに述べた考え方を踏まえると、実際には多くの人が想像するほど強くしゃくる必要はありません。
Break down #4 Use of upper body
初心者の方は足の位置や重心配分が正しくても板が回らないことがありますが、これはジャンプの高さが原因であることが少なくありません。
- 上半身が早く上昇しすぎると、後ろ足がテールへ適切な力をかける前に両足が上がってしまいます。
- 「上に跳ぶ」動作と、「上半身の高さを大きく変えずに足だけを引き上げる」動作を区別してみてください。後者の方が、ポップの力を板へ正しく伝えることができます。
