要点まとめ
トレフリップを回転させるために必要なことは?
よく言われる通り、その回転はほぼすべて後ろ足のしゃくりの動作に依存しています。力任せに蹴り出すのではなく、後ろ足を縦軸に沿って回転させる意識が重要です。詳しくは、トレフリップのしゃくりの方法およびトレフリップの仕組みをご覧ください。
なぜトレフリップがうまく回転しないのか?
デッキがしっかりと回転するためには、しゃくりの動作を最後までできるように、体が十分に持ち上がっている必要があります。しゃくりの動作のタイミングが早すぎると、体が上昇する反発で両足が押し下げられ、デッキの回転が抑え込まれてしまいます。体がすでに上向きの運動エネルギーを持っている状態でこそ、軽く効率的なしゃくりの動作が可能になるのです。
シミュレーション
時系列に沿ったながら
トレフリップの動きをより正確に理解するため、動作を時間の流れに沿って見ていきましょう。
深いしゃがみ込みから始まり、体が上昇を始めたあとにしゃくりの動作が行われます。この一連の流れの中に、トレフリップが軽やかに回転する原理が隠されています。
3Dモデルによる可視化
各要素の説明
オレンジの矢印は後ろ足が加える力を、青の矢印は前足が加える力を示しています。前方に重なる錘(おもり)は、デッキにかかる実質的な重量を視覚化しており、下向きの圧力がいつ、どのように強まるかを表しています。
板に立っているとき
重力に抗って体を支えるため、自然と地面に向かって力を加えています。このとき、常に一定の下向きの力が発生します。
しゃがみ始めたとき
重心が自由落下に近い状態となるため、脚が重力に抗う必要が減り、下向きの力が弱まります。
体が最も低くなった瞬間
下降で得た加速度によって脚がより強く地面を押すため、一時的にデッキにかかる重量が増加します。
ジャンプを始めるとき
脚を伸ばして上方向の動きを生み出す際、デッキを強く押し込むため、一瞬だけデッキが非常に重く感じられます。
体が上昇しているとき
体が上向きの運動エネルギーを得ると、デッキへの下向きの圧力は消失します。この瞬間、デッキが非常に軽くなり、最も効率的なしゃくりの動作が可能になります。
しゃくりの動作のタイミング
しゃくりの動作の前に意識すべきこと
しゃがんでからすぐにしゃくる動作は避けましょう。最も低い位置に達した直後にしゃくろうとすると、板を回転させるために必要なエネルギーが急激に増大します。これは、下降中に蓄えた落下エネルギーに脚が逆らわなければならないためであり、その結果、脚はその勢いを吸収しながら地面をさらに強く押し込むことになります。
一瞬、動きを止めて落下の勢いを逃がす
しゃがみ込んだあと、ほんのわずかでもよいので一瞬だけ静止してみましょう。そうすることで下降による加速度が自然に消散し、その後の上昇動作が格段にスムーズになります。
この原理は軽いトレフリップとどう関係するのか?
そして一部のスケーターが軽いトレフリップができるのは、必要以上に深くしゃがまないからです。過度なしゃがみ込みを避けることで、吸収しなければならないエネルギーを最小限に抑え、しゃくりの動作やポップといった次の動作がより効率的に流れるようになります。
体を持ち上げながらしゃくりの動作する
しゃがみ込み、動きを一瞬安定させたらジャンプの準備が整います。体を持ち上げるためにデッキを押し下げている間はしゃくりの動作しづらくなります。
したがって、体の上昇動作としゃくりの動作の動作を分離することが重要です。体が上に持ち上がるのを感じてからしゃくりの動作を始めるように意識しましょう。
