ショービットが回らない科学的な理由

Last updated: 2025/08/18

ショービットは「全部後ろ足で決まる」とよく言われます。確かにデッキを回すならその通りです。ですが実際に板に乗ると、回らなかったり飛んでいったり、体ごと回転してしまったりします。その原因は同じで、体を持ち上げていないからです。「板を回してから飛び乗る」のではなく、「体を持ち上げてから板を回す」ことを意識しましょう。そうすれば、体重が板を押さえつけていない状態になるので、地面に置いてある板と同じ力で回すことができるのです。

まとめ

なぜ「板を回す前に体を持ち上げる」のか

多くの失敗は、体重を板に残したまま回そうとすることで起こります。先に体を持ち上げれば、板はほぼ無重力の状態になり、後ろ足のスイングだけで抵抗なく回すことができます。無重力空間で回すイメージを持つと分かりやすいでしょう ― まず持ち上げて、それから回すのです。

後ろ足の本当の役割:ポップではなく水平スイング

前足が板から離れた後、後ろ足が体重を支えると考えがちですが、物理的にはそうではありません。体の上方向への運動は自然に続くため、後ろ足の主な役割はテールを水平に引くことです。この切り替えが板を中心に保ち、効率よく回転させます。

よくある失敗:板が飛んでいく理由、体が予期せず回る理由

シャビットを失敗させる典型的な原因は2つ。強くポップしすぎること、そして「体を持ち上げる」と「板を回す」を同時にやってしまうことです。どちらも板が勝手に前へ飛んだり、体が意図せず回転してしまう結果を招きます。大事なのは動作を分けること ― 膝を曲げ、やさしくスイングし、板が自然に足の下を滑るのを待つことです。

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前提 ― 無重力なら簡単に回る

自分が無重力空間にいると想像してみてください。後ろ足をひと振りするだけで、ボードは簡単に回転します。なぜなら、ボードに重さがかかっていないからです。

この基本原理は、地面に立っているときも同じです。ボードに何も押し付けられていなければ、気にすべきはボード自体の重さだけなので簡単に回せます。逆に、自分の体重がボードに乗っていると、地面との摩擦が大きくなり、簡単には回せません。

重要なのは、ジャンプすると、体は放物線を描いて空中を進み、無重力に近い状態が生まれるということです。

ステップごとに分解

体を前足の上にかぶせるように沈め、体を引き上げます。体からの下方向の圧力はウィール全体に均等に分散され、地面からの反発で体が持ち上がります。足はデッキから大きく離れる必要はなく、重心が空中にあり、板にかかる荷重が軽くなれば、それで十分に効果は発揮されます

後ろ足も多少は体重を持ち上げる役割を果たしますが、主な役割は板を回転させることです。前足が先にデッキから離れるため、後ろ足で体重を持ち上げなければならないと思う人もいるかもしれません。しかしこう考えてみてください。物体は静止状態から動き出すときに最も大きなエネルギーを必要とします。しゃがんだ姿勢から体を持ち上げるとき、重心には急に止めることができないほど大きなエネルギーが蓄えられます。このエネルギーは一定時間、体を持ち上げ続けるため、後ろ足が体重を支える必要はないのです。体が上昇している間は、足がまだ板に触れていても地面に立っている時と同じように簡単に回転させることができます。

テールに加わる力の主成分は水平方向ですが、後ろ足が押し込むことでわずかに垂直成分も加わります。その結果、板の重心が少し上昇します。この上方向への移動によって、テールが地面に触れなくても板全体が浮き上がるのです

板が浮き上がると、その重心が回転の軸としても働きます。板が最も効率よく回転するのは、軸に対して垂直な力を加えた場合です。膝を曲げてテールを真後ろに引き、ポップショービットのように下へ叩く動作は避けましょう。

後ろのウィールがまだ地面に触れている間、板の重心はつま先側に移動します。そのため、単に真上にジャンプしただけでは板に着地することはできません。あらかじめ重心をつま先側に移動させておくと、回転する板を自分の下に滑り込ませることができます

よくある失敗:板が勝手に飛んでいってしまう

ショービットで一番難しいのは、板を自分の真下に保つことです。多くの場合、「板を回す動き」と「体を持ち上げる動き」を混同してしまうことが原因です。以前のオーリー解説では、シーソーの例えを使い、両足で板を押すことで後輪に体重を乗せ、体を浮かせられると説明しました。しかしショービットの仕組みは異なります。体が浮き上がり始めると、重心が上へ動く反作用で後ろ足は自然に下へ押されます。オーリーのようにテールを強く弾くのではなく、後ろ足の膝を曲げることに意識を置きましょう。テールを強く弾きすぎると、板は前に飛んでいってしまったり、前傾している場合は後ろ足側に飛んでしまうことがあります。

よくある失敗:体が勝手に回ってしまう

もうひとつの例は、体が意図せず回ってしまうケースです。「重心の引き上げ」と「後ろ足のスイング」は別々に行うということを意識してください。板を回す動きと体を持ち上げる動きを同時にしてしまうと、らせん状の下向きの力が生まれ、その反作用で体が逆方向に回されてしまうのです。

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