概要
ドロップインの仕組みと恐怖心を抑制する方法
ドロップインは、テールをコーピングに置き、前に重心を移動させ、ノーズを下に押し込む動作です。恐怖心から後ろに傾いてしまうことが多いため、バランスを保つことが重要です。「エクスポージャー」と「シェーピング」は、恐怖心を克服するための心理的なツールです。エクスポージャーは安全のために簡単なバージョンの練習をすることを指し、シェーピングは自信をつけるために小さな成功体験を積み重ねる方法です。
恐怖心を押さえるエクスポージャー
エクスポージャーは、簡略化された練習を通じて徐々に安心感を高める方法です。これには、スケートボードに慣れること、手を地面につけながらのパワースライド、バンクを上り下りすること、途中でトランジションから抜けることが含まれます。靴やお尻でトランジションを滑り降りることも役立ちます。このように簡単なステップに分けて練習していくことで恐怖心が和らぎます。
シェイピングで徐々に自信をつける
シェーピングは、報酬を通じて進歩を促す方法です。ドロップインしようとしているランプより高くプッシュすることでドロップインの練習になります。キックターンやマニュアルは、トランジション上でのバランスを改善に役立ちます。バニーホップは、小さいリスクで楽しみながらトランジションに慣れることができます。各ステップにトライすることで楽しみながら達成感を積み重ね、ドロップインに対する恐怖を軽減することができます。
全体的なステップ
足の置き方
後ろ足をコーピングという円筒状の物体に乗せます。テールの付け根をコーピングに乗せ、足の裏全体でテールを踏んで安定させましょう。
前足と視線
ランプの上に前足を置いて置き、準備が整ったらスケートボードの上に移動させましょう。目線は前足におき、重心を徐々に前に移します。
体の軸
トランジションの傾斜に対して体が垂直になるようにイメージしながら、前足でノーズを踏み込みます。うまくいけば、ランプ下部のフラット部分にたどり着くことができるはずです。
よくある間違い
後傾にならないようにする
転んでしまう場合の多くのケースでは、恐怖心から重心が後ろ方向に残ってしまい、板の真上に重心が保てなくなることで板を前方向に飛ばしてしまいます。重心を板の上に保てばいいだけなのですが、頭ではわかっていても実践すると難しいものです。
ちょっとしたコツ
ノーズをつかんでみる
もし怖いのであれば、ドロップインするときにノーズをつかんでみてください。一番大きな問題は体重が後ろに残ってしまうことです。ノーズをつかむことで、後ろに残ってしまいがちな体重を強制的にノーズ方向に移動させることができます。
ノーズをつかむことがゴールではない
ただし当然、ノーズをつかんだ状態で腰を引いてしまうと体重が後ろに残ってしまいます。重要なのはノーズをつかむこと自体ではなく、体重をノーズ側に寄せることであるという点に注意して下さい。
友達と一緒に練習する
誰かと一緒に練習することも大きな心の支えになります。ドロップインは初心者にとって勇気が必要ですが、仲間が応援してくれることで心理的な壁を乗り越えやすくなります。
心理学の用語の整理
エクスポージャーとシェイピング
ここまでを踏まえ、次の心理学的な概念も恐怖心を和らげる効果があります。「エクスポージャー」と「シェイピング」です。よく、難しいことをする際にはベイビーステップが重要であるといわれますが、「エクスポージャー」と「シェイピング」もその一つです。簡単に言うと、エクスポージャーとは出来ないことを減らすことで、シェイピングとは出来ることを増やすことです。
エクスポージャー
定義 - エクスポージャーとは何か?
最初に恐怖心を克服する方法として有効な「エクスポージャー」をご紹介します。ゴールの動作を少し簡単にした動作にトライし、その動作が安全であることを実感するための活動のことを指します。
早く進んでみる
例えば、ドロップインが怖いのであれば、滑っている間にもっと早く滑られるようになりましょう。ドロップインはマイルストーンになるかもしれませんが、板に乗っている感覚を身に着けることが最優先です。プッシュや、チクタク、ターンの感覚に慣れ、スピード感を楽しみましょう。
両手をついたパワースライド
他の例として、両手を地面についた状態でパワースライドに挑戦してみましょう。スケートボードでは必ず転ぶことになるため、両手で体を支える感覚に慣れることもおすすめです。両手パワースライドではその感覚に慣れることができます。
上ってフェイキーで戻る
パワースライドの感覚に慣れてきたら、バンクやトランジションを上ってフェイキーで戻ってきてみましょう。板の中心に重心を置いた状態を維持できるようにしましょう。
板から降りてみる
フェイキーで戻ってくる動作が怖ければ、トランジションの途中で板から降りてみましょう。この感覚に慣れておけば、危険を感じた時にどの方向にどのように降りればいいのかわかってくるはずです。
バンクでロールインしてみる
ここでなぜドロップインが怖いのかを分析してみましょう。ドロップインで恐怖を感じる大きな理由の一つは板が急に加速することにあります。バンクでのドロップインを先に練習した方がいいという人もいますが、急加速することは変わりません。代わりに、バンクの上からロールインすることで、より緩やかに加速する感覚に慣れることができます。
シューズやお尻で滑り降りてみる
更にトランジションの感覚に慣れるべく、コーピングの上に立った状態から靴やお尻で滑り降りてみましょう。こうすることで、実際にドロップインすることなく、転んだ時に体でトランジションを滑り降りる感覚に慣れることができます。
シェイピング
定義 - シェイピングとは何か?
「シェイピング」では、まず最終的なゴールを小さなステップに分解し、ステップを達成するたびに報酬を与えることをいます。例えば、赤ちゃんに歩き方を教えるときには、はいはい出来たらほめて、立ち上がれたらほめて、一歩踏み出せたらほめて、という事を繰り返していきます。
スケートボードでの応用
スケートボードの場合、誰かがほめてくれるわけではありませんが、何かを達成したときに脳内で発せられるドーパミンは強い快感や満足感を与えることが知られています。また、人のやる気や集中力を高める効果があるともいわれています。この特徴を活用すべく、ドロップインを「簡単で達成可能なステップ」に分解してみましょう。
パンピング
まずはパンピングに挑戦してみましょう。パンピングの物理学的な詳しい仕組みはまた別の機会にお話しします。今は、体を伸ばして加速する感覚をつかんでください。ドロップインしようとしているランプよりも高い位置までパンピングで昇れてしまえば、ドロップインで求められることを実質で来ていることになります。後はコーピングの上から開始できるようになりましょう。高い位置までパンピングできるようになることは自信をつけることに確実に貢献してくれます。
キックターン
パンピングに合わせてキックターンも練習してみましょう。体重移動を調整し、トランジションでバランスをとれるようになりましょう。さらに、マニュアルを織り交ぜてみるのもおすすめです。長い時間停止できるようになればそれだけで楽しめますし、より難易度の高いトリックの基礎にもなります。
バニーホップ
最後に、バニーホップをお勧めします。ドロップインができなければ地面から飛び立つことができないというわけではありません。次のステップで簡単にジャンプすることができます。
ステップ1 若干フロントサイドがわにターンしながらトランジションを上りましょう。
ステップ2 後ろの手で板の中央部分をグラブしましょう。
ステップ3 板を引っ張ります。
ステップ4 後ろ足でテールを蹴り下げます。
それほど激しく転ぶリスクもなくトランジションの感覚に慣れるには最適な手段だと思います。
AIフォーム分析ツール
ドロップインの際に適切な角度に体を倒せているかを可視化するために、今回WhythetrickではAI Form Analyzerを開発しました。動画をアップロードするだけで、AIが自動的にあなたの体の角度を解析してブラウザ上に表示します。ドロップインだけではなく、当然オーリーなどの練習にも活用することができますし、僕はやりませんがゴルフなどの練習の際にも活用することができると思います。ぜひ活用してみてください。
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