Summary
前足は前のトラックの上に置く
ピボットするにはチクタクのようにノーズの上に足を置く必要はありません。あまりノーズに体重をかけすぎてしまうとバランスを崩す原因になってしまいます。体重を前のトラックの直上に置くようにするだけで問題なくテールを振り出すことができるはずです。
腱と筋肉は伸ばされるともとの位置に戻ろうとする
テールをポップするとノーズが持ち上がり、ノーズは前足を押し込みながら腱と筋肉を伸ばすように働きます。ノーズが持ち上がろうとする力を吸収しながら、腱と筋肉は元の位置に戻ろうとします。この力を使って板をバックサイド方向に回すようにしましょう。
Simulation
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前提:通説は本当に正しいのか
トリックは動きながらやった方がいいのか
BS180だけではありませんが、トリックは動きながらやった方がいいという意見には科学的な理由があります。慣性の法則です。
イントロでいったように、体重が前に進む力を持っているときにノーズだけが動作を止めたとしても、慣性の法則のため体重が前に進もうとする力は継続します。この「ノーズと体重の速度の差」で板を地面につけてからも回しこむことが出来るのです。
この原理を最大限利用するために何をどうしたらいいのか、どのように練習したらいいのかを科学的に分析してみましょう。
足を置く場所
前足はどこに置くべきか
チクタクのようにノーズを踏んでテールを振り回すようなイメージを持つかもしれませんが、ピボットするときは必ずしもノーズを踏む必要はありません。
画像の場合、前足はほとんどノーズに乗っていないことが見て取れると思います。不必要にノーズに乗りに行こうとするとバランスを崩す原因となります。
体重を前のトラックに乗せる
重要なのは着地した時に支点となる方のトラックの真上に体重があることです。
その証拠に、トラックの上に足を置いて上半身に回転を与えると、おいている方の足を支点にして板も回転するはずです。
かならずしもテールを空中に浮かせる程ノーズに体重をかける必要は無いため、安定して体重をトラックに載せられるように着地しましょう。
前のトラックに体重を乗せるにはどうしたらいいか
バックサイド180では体重がつま先側に移動する
動作をスローモーションで解析すると、ノーズが地面に接するころには、アプローチの時よりつま先側に移動していることが分かります。
これは、テールのつま先側に加重することで、瞬間的にではありますが板がバックサイド側にターンするからです。
腕を投げ出すことで上体に回転を与える
板がつま先側に移動するため、体重も同じ方向に移動させてあげる必要があります。
前回の動画でも言いましたが、前の手を飛び出す前に10時に振りかぶっておき、2時方向に振り出しながら飛ぶと、上体にバックサイド方向の回転をかけながら体重をつま先側に移動させることが出来ます。
足が板から離れてしまう原因
無理に体重をつま先側に移動させようとする必要はなく、前の手を前に振り出す力を利用して体重全体をつま先側に持っていくようにしましょう。
ポップした後のアクション
ポップが腱に及ぼす影響の分析
ポップすると、前足を押し付けるようにノーズが持ち上がって来ます。このノーズを地面に先につける必要がありますが、前足を強く差し込む必要はありません。腱や筋肉は伸ばされると元の位置に戻ろうとするからです。
腱の働きの実験
もし私が言っていることが信じられないようなら、これを試してみてください。
自分の手で爪先をもち、膝を中心に内側に付けて放してみてください。もとの位置に戻るはずです。
この動作をBS180の中で使うことで、ノーズが持ち上がる力を腱が打消し、腱のバネがノーズを押し戻しながら自然とノーズをバックサイド方向に回転させるはずです。
"オーバーポップ"の影響
ただし、このときにオーバーポップ(必要以上に強くポップしてしまう事)を避けるようにしましょう。ノーズに必要以上の力が掛かることで、腱のバネがノーズの力を打ち消すことが出来なくなるためです。
90度で着地することでウィールと地面の間に摩擦が発生する
適切な強さでポップしたとして、前足がアプローチの方向に対して、バックサイド方向に90度の角度でノーズを押し出すと、効果的に地面と前のウィールとの間の摩擦力を増加させることが出来るはずです。
後は体に働く「前に進もうとする力」が慣性の法則に従って板を回し込んでくれます。
視線
最後に一つ。着地する際に目線を前足に置いておくと、回転するときの軸を作りやすくなります。試してみてください。