まとめ
ノーズを前足に引きつけるのに必要なぶんだけポップする。
テールを弾き、ノーズを上に導いて前足と接触させましょう。ポップが強すぎてノーズが過剰な勢いを持ってしまうと、フリックの力が相対的に弱くなり、回転が遅くなります。
まず体を引き上げてから、軽くポップする。
太ももで体を持ち上げ、ふくらはぎでポップを行います。重心を先に持ち上げてからポップすることで、テールを強く弾く必要がなくなります。
オーバーポップを避ける。
前足の高さに対して必要十分な力でポップしましょう。それを超えてノーズに勢いが残っていると、フリックが不必要に難しくなります。
シミュレーション
よくある誤解
板から離れようとすると回転が遅くなる
テールを弾く目的は主に以下の2つあります
- 体を空中に持ち上げるため
- ノーズを前足の位置まで持ち上げるため
よくある誤解として、板の回転が遅いと感じたときに「もっと高く跳ばなければ」と思い、ポップを強くしすぎてしまうことです。これは逆効果で、高く跳ぼうとすると、かえって回転が遅くなることがあります。
ポップの際に何が起きているのか?
スケートボードは剛体です。片方(テール)に力を加えると、反対側(ノーズ)がそれに応じて動きます。
つまり、強くポップすればするほど、ノーズにも大きなエネルギーが伝わります。その結果、ポップの強さに応じて、より強いフリックが必要になるのです。
効果的なポップの方法
ノーズの勢いを抑えるために軽くポップする
以前の解析では、スケートボードを回転させるのに必要な力は約3kg、つまり指一本で発生させられる程度であることを示しました。人間の脚は、それをはるかに上回るエネルギーを簡単に生み出せます。
ただし、これはノーズがほとんど動いていない場合に限ります。そこから次のような重要な点が導かれます
- テールを強く弾きすぎると、ノーズに過剰な上向きエネルギーが残り、前足でのフリックが難しくなります。ノーズの上昇スピードがフリックの力を上回ってしまい、板が「重く」感じられるようになります。
- ノーズの上向き運動は、フリックを開始する高さに到達する時点で十分に減速している必要があります。この条件が整って初めて、ノーズは前足に自然に引きつけられるようになります。
太ももで体を持ち上げ、ふくらはぎでテールを弾く。
ポップしすぎ=オーバーポップを防ぐためには、太ももとふくらはぎの役割を明確に分けて理解することが重要です。
太ももの役割
太ももは、ポップのためではなく、自分の体重を上に持ち上げるために使います。テールを弾く前に太ももを伸ばすことで、デッキにかかる荷重を軽減できます。重心がすでに上昇し始めていれば、テールを軽い力で弾くだけで十分です。
ふくらはぎの役割
ふくらはぎはテールを弾く動作そのものに使います。ただし、ふくらはぎだけでは体を持ち上げることはできません。太ももとの連携が不可欠です。
まず太ももで重心を引き上げ、その動きが始まった後にポップを行うことが、無駄な力を使わないコツです。
練習方法
デッキから降りながらフリックの練習をする。
「フリックのやり方」で紹介した練習方法は、このセクションにも応用できます。
- ポップは軽く行いましょう。強い力は必要ありません。
- かかと側に軽くジャンプして、デッキから降ります。
- 前足はデッキ上に保ったまま、上方向にスライドさせます。
- どこでフリックを終えるべきかを意識しながら、優しくポップしましょう。
