キックフリップの仕組み―フリックの方法を科学的に解説

Last updated: 2025/11/17

キックフリップの摺り抜きはどうしたらいいですか?

動作はコンパクトに保ちましょう。過剰なを加える必要はありません。

どれだけ強くフリックしても板が回転しない、と感じていませんか? もしかすると、その過剰な力が回転を妨げているのかもしれません。 本記事では、3Dモデルを用いてそのメカニズムを科学的に検証します。

要点まとめ

強く蹴るよりも、素早く蹴る。

スケートボードを1回転させるために必要な力は、およそ3kg程度とされています(参考文献)。 指でも簡単に回せることから、脚の筋力であれば十分な力を生み出せるはずです。 したがって、回転が遅い原因は単なる力不足ではありません。 多くの場合、力を入れすぎることで板が前方に押し出され、効率的に回転できなくなるのです。

「蹴りすぎ」に注意。

フリックのやりすぎは、キックフリップが安定しない主な原因のひとつです。 着地への不安から、無意識のうちに早く回そうとしてしまうことがよくあります。 過剰な力は、デッキとの摩擦を増やしたり、フリックの軌道が板と平行になってしまう原因になります。 前者は板が前足にくっついてしまい、後者は板が遠くへ押し出されてしまう結果を招きます。 詳しくはこちらをご参照ください。

シミュレーション

アイコンをクリックすると、3Dシミュレーションが始まります。
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分析

物体を最も効率的に回転させる方法

最小限のエネルギーで物体を回転させるには、その物体の軸に対して正しい角度で力を加える必要があります。 この考え方は、キックフリップにも当てはまります。

板の回転が遅いと感じる場合は、力の大きさではなく、力を加える方向を見直してみてください(この後詳しく解説します)。

さらに、キックフリップに必要なエネルギーはそれほど多くありません。実際、指だけでも板を回すことが可能です。 つまり、板がうまく回らないのは、フリックが足りないのではなく、その方向が正しくないことが多いのです。

実行

板の軸に対して適切な角度でフリックする。

前回の内容では、オーバーポップがキックフリップを難しくすることを解説しました。 それに加えて、「オーバーフリック」にも注意が必要です。蹴り足に過剰な力を込めすぎると、安定した回転を妨げます。 板の軸に対して正しい角度でフリックすれば、大きな力は必要ありません(図中の青線がその軸を示しています)。

軸の動きを妨げないようにする。

フリックの方向が青い軸に対して平行に近づいてしまうと、板が別の軸(ドルフィンフリップの軸)で回転し始め、フリップしにくくなり、重く感じる原因となります。

板のノーズの側面を軽く弾くような意識で、軸の動きを妨げないようにフリックしてみてください。

フリックを止める位置を意識する。

繰り返しになりますが、フリックには多くのエネルギーは必要ありません。 フリックを止める位置をイメージすることが重要です。 ノーズのすぐ後ろでフリックを止め、足を前方へ伸ばしすぎないようにしましょう。そうしないと、コントロールを失いやすくなります。

前足の膝を支点とした円運動を描くイメージで、足首から先をコンパクトかつ素早く弾きましょう。 板を「強く」蹴る必要はありません。

練習方法

板から降りた状態でフリックの動きを練習する。

テールを弾いたあと、かと側へ降りるように一歩外に出てください。 その際、前足を摺り抜きますが、どこで前足を止めるかを意識してください。

付録:力の目安

人がサッカーボールを蹴るとき、脚はどれくらいの力を生み出すか?

衝撃力のおおよその見積もりは以下の通りです:

  • 脚の質量(体重の約8〜10%):5kg
  • 蹴る速度:9 m/s
  • 衝突時間:0.1秒
  • 450kg

指で板をフリックするときに必要な力は?

衝撃力のおおよその見積もりは以下の通りです:

  • 手と板の合計質量:3kg
  • フリックの速度:0.1 m/s
  • 衝突時間:0.1秒
  • 3kg

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