フェイキービッグスピンが回らない理由とその解消方法

Last updated: 2025/12/05

フェイキービッグスピンは「ビッグスピンの中で一番簡単」と言われることが多いですが、実際にやってみるとボードが意外なほど 回ってくれない ことがあります。これは一体なぜ起こるのでしょうか?

まとめ

両足で踏み込み、まずは自分の体重を“持ち上げる”

地面に立っている状態では簡単にボードを回せるのに、実際のトリック中だと急に回せなくなる原因は、 **自分の体重がボードに乗って回転の自由を奪っているため**です。 まずはしっかり 体重を浮かせる 動作を作り、その“最後の瞬間”にテールをすくうように弾きます。

前足でボードの回転を“導く”ように送る

テールを踏み込むとノーズが持ち上がり、その反作用でボードが前足に押し返されます。 このとき、前足が止まってしまうとボードの回転も止まります。 だから、前足を 回転を導くように前方へ送ってあげる ことがとても重要です。

成功例と失敗例の比較

まずは成功パターンと失敗パターンを並べて比べてみましょう。 動きはほとんど同じに見えるのに、右側のケースだけ失敗して、 ボードも身体も途中で止まってしまいます。 どこか違いに気づきましたか?

上半身の動きはほぼ同じなので、よく言われる「肩の開き具合」は、 このケースでは決定的な要因にはなっていません。

むしろ違いが出ているのは、もっと小さなディテールです。 ボードが90度回った瞬間、成功している方では両足ともまだボードをしっかり押さえていますが、 失敗している方では、すでに 後ろ足が空中に浮いてしまっている のです。 一見すると「タイミングの問題」に見えますが、 単にポップを遅らせるだけではこの問題は解決しません。

ボードが回るための条件

いったん原点に戻って考えてみましょう。 地面に立った状態であれば、ボードはほとんど力を入れなくてもくるっと回せます。 それは、ボードを押さえつけている重さが何もないからです。 つまり、この「何にも押さえつけられていない状態」をトリック中に再現できれば、 ボードは自然と回ってくれます。

最終的にボードを回しているのは、たしかに後ろ足です。 ですが、その動きだけに意識を集中しすぎると問題が起きます。 トリック中は 自分の体重がボードを上から押さえつけている 状態になっています。 どれだけ強く後ろ足でスクープしようとしても、 体重によってボードが固定されてしまい、簡単には動いてくれません。

そこでさらに後ろ足を強く振り回してごまかそうとしても、 自分の体重そのものを持ち上げられていないので、 必要なエアタイムを確保することができません。

前足が担う役割

これらの問題を解決するために、実は前足が非常に重要な役割を果たしています。 肩の回転に合わせて、前足と後ろ足の両方でボードを踏み込み続けることで、 体重は後ろ側のトラックに向かって持ち上がります。 これによりエアタイムが生まれるだけでなく、ボードから体重が離れ、 地面に立った状態と同じような“軽さ”でボードを回せるようになります。

前足の役割は、単に体重を持ち上げることだけではありません。 後ろ足がテールを踏み込むとノーズが持ち上がり、その反作用で前足が押し上げられます。 もし前足を途中で止めてしまえば、ボードの回転もそこで止まってしまいます。 そのため、前足はボードの回転を “導くように前方へ送る” 必要があります。

比較に戻ってみる

成功している方では、両足でしっかりボードを踏み込み、体を持ち上げています。 体が上がったタイミングで、後ろ足が“最後の瞬間だけ”テールを弾きます。 この時点では、すでにボードには体重がほとんど残っていないため、 ほんのわずかな力で簡単に回っていきます。 さらに、前足はアプローチのときと同じ位置をキープしているのが分かります。

失敗している方では、まだ体重がボードに乗ったままなのにポップしようとしています。 後ろ足は必死にテールを踏み込もうとしますが、ボードは体重で固定されて動かず、 その過程でエネルギーを無駄にしてしまいます。 本来ポップすべき瞬間までに十分なエネルギーが残っておらず、 しかもポップした直後に反射的に後ろ足を浮かせてしまうため、 ボードに力をしっかり伝えることができません。

別のアプローチを試してみる

とはいえ、うまくいかない時には別のアプローチを試してみることで 新しい感覚が得られることもあります。 肩を大きく開いて、まずリバートするように回り、 そのあとで後ろ足をすくう方法です。 これがフェイキービッグスピンと呼べるのかは分かりませんが、 何かしらのヒントになれば幸いです。

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