概要
前足を110°方向へ押し出すと、最も効率よくテールが上がる
物理エンジンによる解析によれば、約110度の角度からノーズを押すと、 ノーズの浮き上がりを抑制しつつ、テールを効率的に持ち上げられる ことが示唆されました。
実験の前提条件
基本条件
- 前足の上方向へのスライド動作は、本実験の対象外とする。
- ノーズを押すのは、質量3kgの「足」を模した仮想オブジェクトとする。
- 足の質量は一般に体重の約2%とされ、60kgの体重であれば約3kgに相当するため、この値を採用する。
押し出す方向:上向き
最初の条件では、前足がスライドの動作と同じ方向へ動き続けます。 オーリーの経験が浅い場合、上方向への擦り上げを意識しすぎることで、このような動きが生じやすくなります。
前足の動きが速くなったとしても、デッキは水平にはなりません。
これはなぜでしょうか。板を水平にするためには デッキ自身が持つ上向きの運動量を利用する必要があります。 ポップ後、ノーズを押さえつけている間も板は上昇し続けます。 板と平行方向への力はノーズを押し上げることはあっても、 デッキの重心がその力をテールを持ち上げる方向へ変換できません。
押し出す方向:水平
この条件では、前足を水平方向へ動かします。 身体が上昇する勢いに対して足を下げることで、その上向きの力を相殺し、 足を水平に移動させることが可能となります。
この条件ではデッキが水平になります。
ただし、前足の速度によっては、デッキがある程度落ち込んでから水平に達する場合があります。 十分な速度が求められる点に注意が必要です。
前足がノーズの上向き回転を抑え込んでいる間も、 デッキの重心は上昇を続けているため、その運動量がテールを押し上げる働きをします。
押し出す方向:下向き
この条件では、約120度の角度からノーズを下方向へ押し込みます。
弱い下向きの力では、デッキはただ下降するだけで、意味のある水平化は起こりません。 強い力を加えると、前足が板の上向きの運動量を打ち消し、下向きへ押し戻してしまいます。
力が強すぎる場合、デッキの重心の上昇が完全に妨げられるため、 テールを持ち上げるための仕組みそのものが失われてしまいます。
押し出す方向:やや下向き
この条件では、前足がノーズに対しておよそ110度の角度から力を加えます。
あらゆる条件を網羅したわけではありませんが、最も安定して良好な結果を示した方法です。
およそ110度の角度からノーズを押さえることで、ノーズの上向き回転を効果的に抑制できます。 同時に、デッキの重心は上昇を続けるため、その運動が妨げられることなくテールが持ち上がります。
